氏 名:坂田 純(さかた じゅん)
生 地:神奈川県横浜市
E-mail:bunga53@hotmail.com
アトリエ(日本) :神奈川県横浜市
アトリエ(海外) :インドネシア・バリ島・ウブド
横浜にある、いけばなの家元香風流の家に生まれた坂田は、幼少からいけばなを傍らに育つ。早くから家元である父を失ったため、若くして家元を襲名、香風流家元としていけばな界での創作活動に取り組む。坂田は、次第にいけばな界とは少し距離を置くようになり、現代美術の世界に関心を示す。戦後アメリカからもたらされた植物「セイタカアワダチソウ」―素材としては、人気がなく、あまり取り上げられることが少ない、―に、坂田は、華がなく、地味な存在に対し、他を圧倒する生命力・迫力に強い関心を示す。この時期、坂田が使った素材の多くは「セイタカアワダチソウ」であり、それによるインスタレーションをグループ展、個展へと次々に出品する。 1985年頃から、これまでの立体造形から、いわゆる平面的素材の和紙を使用した、ギャラリー全体をカンバスに見立てて、その壁、天井、床の全てを取り囲む「囲い込み」や「包み込み」(エンクロージャー)ともいわれる独自の表現による作品に取り組み、それを個展などで数々発表する。素材は和紙、墨、顔料、柿渋、クレパス、荒縄、米粒、胡麻など極めて素朴で日本的なものを使用している。技法そのものは、和紙の上に墨や柿渋などを塗って描くオーソドックスな方法である。ここ二、三年は、バリ島バナナ紙にクレパスを厚く塗り込んで描いた後、それを削ることによりデザインする(スクラッチング)独特な技法で表現した作品を立体として、また平面としても多く制作するようになり、その新しい取り組みは注目されている。坂田は、15年程前に初めて旅行したインドネシア・バリ島に、心惹かれる。日本では既に失われた、素朴であるが、ゆっくり流れる時間の中で営まれる他愛もない日々の生活、宗教色の強い独自の文化を背景とした豊穣な精神性にひどく共振し、以後毎年バリ島を訪れる。 2000年に、バリ島内陸部にある芸術の古都ウブドにアトリエを構え、バリで半年、半年は日本で作品を制作している。ここ数年は平面を中心とした、インドネシア・バリのバナナ紙とクレパス・墨の作品に積極的に取り組み、東京、名古屋を中心に、進化を目指し意欲的に作品を発表。
平成22年は正月の銀座・ギャラリー「巷房」から始めて、3月の金沢「つばきや」、名古屋「ノリタケの森ギャラリー」と、相次ぐ作品の発表。コンペティションでは、下北沢スペースギャラリー「人間展・東京」に出品。コロナ下の令和3年は地域創生型の豊田市農村舞台アートプロジェクトに参加、和紙のインスタレーションを発表。
令和5年6月には札幌トラムニストギャラリーで新作を発表 。
平成23年1月からは毎年、銀座・ギャラリー「巷房」で個展を開催。平成24年1月~バリ島の風~、平成25年1月ーバリ島の静寂(しじま)ー、平成26年1月ーバリ島の光(ひかり)ー、平成27年1月ーバリ島の宙(そら)ー、平成28年1月ーバリ島の音色(ねいろ)ー、平成29年1月ーバリ島のやさしさ、平成30年1月 ーバリ島のささやきー、平成31年1月 ーバリ島の長閑(のどか)さー、令和2年1月ー 白のささやきー、令和3年7月ー白はともだちー、令和4年1月ーゆっくりゆっくりー、令和5年1月ー出会いは止まらないーを発表。